男 と 女

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「温、バイバーイ!」 「うん、また月曜日にね!」 テスト期間中の金曜日。 昼に終わった学校は騒がしかった。 テスト後は、いつもならクラスの数人と残って勉強をするけれども、今日だけは先に帰ることにしている。 「気を付けて帰ってね。」 「ありがとー。」 手を振ってくる友達に振り返し、鞄を持って教室を走り出た。 校門までの道を抜けると、外は明るい陽射しと爽やかな風に包まれていた。 新緑が目に眩しい。 ぞろぞろと駅に向かう同じ制服の女の子達も皆、開放的な表情をしている。 私は校門を出てすぐ右に曲がり、公園脇の小路を抜け、電車通りに出た。
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