気持ちいい手

12/12
前へ
/375ページ
次へ
それから、何度も何度も互いを求め果てた私達は、そのまま眠った。 互いの体に腕を回して。 時折目を覚ます私は、その度に杏南の寝顔を覗き込んだ。 少し濡れた睫毛、くしゃくしゃの髪。 初めてつながったのに、私は杏南の虜になっていた。 あの、沸き上がる悦び… 自分の手なんかじゃ辿り着けない絶頂に、杏南の手はいとも簡単に導いてくれた。 気持ちいい手。 私はこの手を絶対離さない。 そして… 「んっ…ま…こと…」 くすっ。 そして、ずっとずっと愛してる。
/375ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3153人が本棚に入れています
本棚に追加