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私はそれから、早矢姉に普通に接することができなくなった。
学校には来るし、授業もやってくれる。
でも、春頃の眩しい輝きは失われていた。
早矢姉、早矢姉、早矢姉、早矢姉―――………
心でずっと叫んでいた、早矢姉を見ている私に気付いてほしい、と。
私には穂村早矢が必要なんだ、と。
でも、早矢姉は私の叫びには気付いてくれなかった。
季節も巡った2年の春、桜の便りと共に別の便りも舞い込んだ。
早矢姉がいなくなった。
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