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それはある日の練習中だった。
「痛っ!」
私のふくらはぎに激痛が走った。
動けない…
「香澄!?」
「大丈夫っ?先生!」
皆が駆け寄ってくる。
「あー…肉離れだな。すぐ病院に行け。」
「…はい。」
「先生、私、香澄を手伝います。」
晶が私を支えてくれる。
「本多、じゃあ頼んだ。俺は野田の親御さんに連絡してくる。他は練習を続けろ。」
先生が体育館を出て行く。
私も晶と一緒に体育館を出る。
「香澄、歩ける?」
「晶、別によかったのに。」
「いいの、さぁちゃんとつかまって。」
何となく、私は晶に助けられたくなかった。
私は晶を快く思ってなかったから、少し罪悪感があったのだ。
なのに晶は優しくしてくれる…
やだなぁ―…
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