小さな鍵の向こう側

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『奥さん!魚いいの捕れたんだ、食べるかい?』 『わあ~いいんですか?ありがとう、菊花も魚大好きだから』 『嬢ちゃん、もう一歳だっけ?早いね』『あ、おじさん!実家の深川から佃煮送ってきてるから持って帰って』 『ママ~!ピアノ!』 『はいはい!ごめんねおじさん。夕飯にします』 菊花はもう一歳になった 私にピアノをせがむ 凌が帰ってきた 『パパ~あんね~ピアノ』 『ただいま、菊花もピアノ弾きたいのか?』 『ひくひく!』 『凌夕飯に魚もらったから』 『菊花の好きな魚だぞ』凌は娘にベタベタだ(笑) 『ひばり、休み無しで悪いな。嫌になってないか?』 『凌がいれば毎日が幸せ(笑)あ、父さんが沖縄の仕事の帰り寄るらしい。来月』 『義父さんくるなら少し綺麗にしとかないとな。菊花生まれて以来だから』 小さい島に人口が二人増えた 色白の私はもう小麦色になってしまった 菊花は健康優良児 凌は刑事ではないけど、いつも島を護ってる 今日もいい風が島に吹いている 私の胸元にはあの黒人の軍人さんからもらったお守りのキーのペンダントが揺れていた
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