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知り合いに挨拶するのに一週間かかった(笑)
旦那は何かあれば飛んでいくと泣いてくれた
父さんは必ず孫を抱きにいくと泣いた
おばあちゃんは嬉しそうだった
修にピアノだけこの島の住所に送ってと頼んだ
沖縄の近くの小さな島だが、一応医者もいるみたいだ
私は少し大きくなったお腹とカートを転がしながら島を歩いた日傘をさしても暑かった
白いマタニティドレスが海風に揺れる
軽トラで休憩しているおじさんに駐在所を聞いた
汗を拭きながら前をみるとそれらしき、家みたいなのが見えた
子供達が三人、何やら楽しげに話してる
『ねえ、お巡りさんいる?』
『いるよ!おばちゃん誰?』
『おばちゃん、お巡りさんのお嫁さん(笑)』
『え~(笑)駐在さん!来て!来て!』と皆いっせいに叫んだ
『お前ら!早く家かえれ!いっつも寄り道しやがって』凌は汗を拭きながら奥からでてきた
子供達は、わ~っと笑いながら逃げていった
『凌、お疲れ様』
『ひばり…』
『この子を私みたいな目にあわせないで』
凌は奮えながら私のお腹を両手で触った
『あの時の…』
『そうよ、5ヶ月すぎたわ。松田さんから聞いて押しかけてきた』
『夢じゃないよな…ホントにひばりだよな』
『エロいひばりだよ(笑)』
凌は私を抱きしめると、思いきり泣いた
『明日…婚姻届け出しに行きましょう(笑)三人でこの島で暮らそう』
『全部捨ててここにきたのか?』
『うん、覚悟してきた』
『毎日夢見てた…東京に居るより辛いのがよくわかった…あんな手紙一枚でお前に悲しい思いさせて…』
『また会えた…それでいい。ずっと一緒だよ』
『いい母ちゃんになるよお前(笑)今から婚姻届けだ!ひばり、自転車の後ろ乗れ!役場いくぞ』
凌の自転車の後ろにのり腰に手を回した
風が気持ちいい…
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