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まだ続くであろう長く暗い地下道の中を独りで歩くように、先のわからない、孤独だけとは違う恐怖は、自らを律するだけでは到底太刀打ちができない。
もう少し進めば…そう思い続けるだけに、少しの諦めすら覚えるのだ。
君の優しい笑顔、優しい声、まるで光る財宝を抱え、世界の宝という宝を手に入れた時のようなまばゆすぎる歓声を、僕は感じていた。
いつからかそれが僕の喜びの全てであり、生きていく為の糧でもあった。
君になりたいと強く思うことがよくあって、同化することが僕の望みでもあったのかもしれない。
それは叶わぬことだとわかりながらも、どこか頭の片隅では納得できない自分に腹立たしさをもつのだ。
君もそう感じてたかはわからないが、二人の間には君が思ってた以上の距離があったんだよ。
もう少し歩みを寄せ合えば、幸せに、もっと幸せに将来を描くことができたんだ。
だから僕は君との距離をこうやって縮めたんだ。
無理矢理なんてことはない。君もこうなることを望んでいたんだ。
だから僕達はこうやっていられるんだ。
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