一通のメール

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それに俺は混乱しながらも言葉を紡ぐ。 「そこなんだ。そいつは仕事の付き合いで仲良くなって結構信頼してるんだ。 だから優奈の名前を出さないで話したことがあるけど…でもその話で相手が優奈ってことにわかるはずがないんだ。」 「だからそんな混乱してるんだな。でもそれだけか?」 世那の鋭い一言に俺は苦笑いしながら内心やっぱり世那が友達で良かったとつくづく思った。 「まぁね。携帯にメールがきたんだけど…そこには優奈がもうすぐ日本に帰るって書いてあったんだ。 でも何故もうすぐ帰ってくるって判る?それに何故優奈の存在を知ってるんだ?もし知ってたとしても何故俺が話した相手だと判った? しかもその後に優奈のこと受け止めてやれって」 みんなは俺の矢継ぎ早の言葉になんのストップをかけずに静かに聞いてくれた。 「確かにおかしいな…帰ってくるって日本中を捜し回った俺達にしたらそれがしっくりくるけど…そいつはそれが当然で日本に帰るという。 しかも帰るという表現は元々、優奈が日本が祖国と知っての発言」 「そうだよね。優奈は髪や瞳が黒だからってだけじゃ日本人って分かりずらいしね。ハーフっぽい顔立ちだから外国じゃ尚更、日本人には見えないよね」 それに世那が相槌をうちながら左手の人差し指をせわしなく動かす。 「ああ、尚の言う通りだ。雪斗そいつにはいつ優奈の事を話した?」 「んー今年の夏休みにパリで同じ仕事した時だから8月だった」 「なら何故今まで話さなかった?別に雪斗の為に捜したんじゃないだろうに…」 「そこまで優奈と仲良くなかったんじゃ?」 湊の頭のなさに呆れた顔の十夜。 「ほんと馬鹿だな湊」 「ちょっ?!今日はやけに俺に酷いぞ!」 「あのなあ?受け止めてやれとまで言ってるんだぞ?それはよっぽど優奈と仲がいい証拠だろうが。優奈はただの友人には愛想はいいけど心は拡げなかっただろう?」 その言葉にやっと気付いたのかなるほどと頷いている。
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