分からない気持ち

3/8
前へ
/55ページ
次へ
後ろから声をかけてきたのは、湊の双子の姉のきさらとさきらだった。 5人の為にわざわざ生徒達が端に寄り開けていた道を歩く人間は、この2人ともう一人を置いて他にはいない。 「あれ?なんでここにいんだよ姉貴?」 「世那なら刺されるよね」 「うん。俺様だから…」 双子はお互いに顔を見合わせニヤリと笑みを浮かべている。 「は?! 俺様関係ないだろ?」 「あるよ眉目秀麗ってだけでも目をひくのにその上、國仲財閥の次男坊で今は、次期総帥の柚月さんの右腕として働いて成果をだしているからこの歳にして社会的地位もある。頭脳明晰、もち運動神経抜群なんだよ?!そこに俺様でどーすんのさ?!」 「男としたらそこで既に負ける奴がほとんど…」 「ほら俺様関係ないじゃん」 世那が納得できないと毅然とした態度をみせる。 「ちっがーう!そここそがモテるポイント!ちょっと俺様なくらいが頼れる男って感じで素敵って思う女が多いわけさ! しかも鬼畜入ってるから下手に男が文句言うと返り討ちに合うから刺されるんだ!」 「刺されて今までの行いを反省しながら病院のベッドで寝なさい…」 「おいっ?!なんか刺されることになってないか?」 「しょうがない」 「しょうがない…」 「はあ…俺、恋人いんだけど…」 「みんな知らないからさ」 「変わらずモテるの…」 二人は双子と見るからに判るほど容姿は似ているが、あまり性格では似てない。 きさらは元気で活発系。よく喋る。 一方さきらは大人しく顔に表情をだす事が少ない。 だからか、いつも仲良く2人で行動する事が多い。
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

70人が本棚に入れています
本棚に追加