少女と小鳥と黒い本

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彼は全てを知っていました ひとつの生命の一生から この宇宙の成り立ちまで すべてを しかし 彼はあるものだけを 知りませんでした それが “心”でした 彼は知りすぎていました 彼が存在する地球 そこで発達した人間 彼らの知能と畏れの心が 彼を見つけました 『こんな物あってはならない』 『これは世界を滅ぼしかねない』 『だがどうする』 『滅してしまうか?』 『だがそれは惜しい』 彼は封印されました でも彼は死んではいません 生きています だが彼を生かしたものは 人間の知能と欲の心でした 彼は 知りました “感情”というものを そして 手に入れました 憎しみ という “心”を
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