ワタクシ様が〝三蔵法師〟だ!

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 「「ああん!?」」  三蔵法師の尊大な喋りは彼らに不評だったらしい、凄まじい勢いで睨み付けてきた  「分からないか?お前ら雑魚じゃ話にならんと言って、」  「だらぁ!」  三蔵法師の言葉に被さるようにゴクウが一人に殴りかかり、一撃で洞穴の中まで吹っ飛ばした  「ダラダラだべってんじゃねぇ!全員ヤッちまえばいいんだろうか!」  「てめぇ!やりやがったな」  「タダじゃおかねぇ!」  「ブッコロスぞ、ガキ!」  チンピラ共もその気になってしまったようだ  「ちっ。莫迦猿がっ」  三蔵法師は自分の方にも襲いかかってきた一人をかわして悪態をついた。その狼藉者はゴジョウにボコボコされていたが…  「こうなったら、ヤるしかないわなぁ。俺、ハニー以外の、しかも野郎には優しくないぜ?」  そして三人はそこにいたチンピラを数秒かからずのしてみせた。  「随分騒がしいじゃねぇか」  「…出て来たか」  騒ぎを聞きつけたリーダーらしき男が洞穴から姿をみせた  「あらら。ハデにヤッてくれやがって何者ヨ?」  「俺っ様はゴクウ!地上最強の大妖怪…っていだだだだ!」  盛大な名乗り上げの後半は悲鳴に変わっていた。何時の間にか三蔵法師が経文を唱えていたようだ  「~~ゴクウ、お前は黙ってろ。私様は〝三蔵法師〟お前らに話が有ってきた」  「ふーん。アンタが〝あの三蔵法師〟?へっ。ハナシねぇ…何ヨ?」  どちらも一歩も譲らずに尊大な態度をとっている 「女共を返せ」  三蔵法師は端的に  「やだね」  妖怪のリーダーはニヤニヤしながら  「奪った農作物を返せ」  「やだね」  「こっから出ていけ」  「やだね。ウチらにメリットがねーよ」  「痛い想いをしなくて済むかもしれんぞ」  「ナルホドネ」  リーダーは思案する様子をみせた  「村に近付くな」   「やだね」  ニンマリ笑いその言葉を繰り返した  「……そうか」  三蔵法師は短く呟き背を向けた  「やだねやだね。ウチらは縛られない。好きなとき、好きなように、好きなだけヤるんだよ!それが、ウチら〝妖怪〟だろうがヨ!」
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