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自分のセリフで気持ちが高ぶってきたのか演説するかのように叫ぶ。すると突然、大きな笑い声がした。ゴクウである
「だっはっはっは!御高説傷み入るなぁ!違いねぇ!それが妖怪だ」
腹を抱えて大爆笑するゴクウ。だがひとしきり笑った後その瞳は鋭く冷めていた
「…だがよ、俺様を差し置いててめぇが〝妖怪代表〟みたいに言ってんじゃねぇよ。ザコが」
「ガキがほざくじゃねーかヨ。そういや三蔵法師サマ?」
「なんだ」
にぃぃと笑う
「アンタ喰うと不老不死になるってホント?」
「……人なんか食べると腹壊すぞ」
ぎゃはは。とゴクウなんかよりもっと下品にワラう
「人?そんなオカシな髪と眼の色しておきながら?バケモンだろうヨ」
「貴様!三蔵様に何て事を!」
「ハニーを侮辱するのはゆるせないぜ」
誰より真っ先にゴジョウとハッカイが反応した
「ぎゃはは!可笑しいなあ、そう思うだろ?お前らもヨ!」
その台詞を合図に木々の間から洞穴の中から崖の上から、隠れ潜んでいた大量の妖怪が姿を現した各々が下卑た笑みを浮かべている
「これがお前の余裕の原因か」
周りは既に囲まれ、ざっと百ほどの大軍だった
「ふん。ゴジョウ」
「はい。ほとんどが下の下。そこの男は中の中ってことでしょうか」
「へっ。一対一で勝てるなんて思っちゃいねーヨ。集めに集めて今じゃ百だ!大人しく喰われてくれねー?」
ゴジョウの言葉を素直に受け止めながらも、ニヤニヤ顔は崩さない
「サンゾウ。ヤッてもいいんだろ?〝封印〟外せよ」
ゴクウが手から伸縮自在の棍棒『如意棒』を取り出し言う
「オレも賛成だハニー。こう多いと流石に面倒だ、外してサッサと終わらそうぜ」
ハッカイも手に三日月型の刃の槍『円月刀』を構えゴクウに賛同する。
「三蔵様?」
ゴジョウは二振りの刺突剣「」を胸の前で交差させ答えを待つ。三蔵法師は首を縦には振らなかった
「却下。私様が売られた喧嘩だ、お前らは時間を稼げ」
「ハニーの頼みとあっちゃあね」
「三蔵様には指一本触れさせません」
「ってオマエら!ふざけんなサンゾウ!」
睨み付けるゴクウを見下し言い放つ
「自信が無いなら隅で震えててもいいわよゴクウ」
カッチーン
「ナメんな!こんな奴らの百や二百、俺様がヤッてやる!てめぇの出番はねぇからな!」
扱いやすい奴だった
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