競馬場

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今回も俺は事前に1レースに賭ける金額を1500円迄と決めていた。 計画通りにいけば、最終レースを終えても最悪3000円以上は残るはずだ。 ところがレースを重ねていくと、負けが増え、取り返さなければと強く思うようになっていった。 それは焦りを生み、冷静さを失わせる原因となり、馬券を購入する時には、もしかして、この馬が来るかも・・・いや、この馬もあやしい・・・これも・・・これも・・・と、必然的に1500円の設定金額をオーバーしていった。 で、昼を少し過ぎたところで、ほぼオケラ状態になってしまったというわけだ。 俺は全身を後悔の念で押し潰されそうになった。 しばらく放心状態が続いたが、わずかな正気でこの520円の使い道を考えた。 帰りの電車賃が360円。 このまま帰路につけば、夕食におにぎりが一個食べられる。 それとも・・・・ 電車賃とおにぎりを賭けてもう一勝負・・・ ・・・・・・💧 俺は負けた時の事を想像してしまった。 ブルブルブル💦 ダメだ💦ダメだ‼ アパートまで歩いて帰るなんて・・・💧 俺にはそんな勇気は無いし、なによりそんな体力が無い。 俺は家路に就く決心をした。 ドンッ 俺が振り向いたその時、足に何かがぶつかった。 足元に目をやると、4歳ぐらいの女の子が尻もちをついていた。 女の子は丸顔で髪を左右に束ね、フリフリがついた黄色い洋服に真っ赤な靴を履いていた。 そして少女漫画にも負けないくらいの大きく開いた綺麗な目が印象的で、誰が見ても、イイトコのお嬢ちゃんと分かるだろう品がある子だった。 「はぁ~⤵」 俺は、ため息をついた⤵ 俺は日頃から、競馬場でどうしても許せない不満があった。 それが、子供・・・家族・・・。
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