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雨の日
僕が彼方に出会った日は最悪な日だと思ってた、転校して日にちが浅い僕は鞄から傘を見付けられず雨の中を歩かないといけないと思っていたから。
『おいっ!そこのチビ』
突然後ろから肩を掴まれ頭に何かを乗せられた、それがスポーツタオルだと気付くのに数秒かかった。
『何処の馬鹿だ?風邪をひいたらどうする、バス停で雨宿りすれば良いだろう』
男はさっき降りたばかりの屋根のあるバス停に僕を引っ張り頭に乗せたスポーツタオルで拭いてきた。
「止めてよ。僕が風邪ひくことが彼方に迷惑がいくんですか?」
『迷惑にはならないがバス停から住宅地まで数分も掛るんだ、雨が降れば此処の奴らは雨宿りする』
「僕は知らないよ。引っ越してきたのも最近なんだから」
走って帰ろうとすると、手に傘を握らされた。
『傘を貸すから濡れて帰るな』
僕は気味が悪いと思いながら首にタオル、手には傘と逃げるように帰った。
彼は何故悲しそうな顔で僕を見ていたんだろう?
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