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悠は嫌な顔をする歩を気にする事なくマイペースに話はじめた。
「なあなあ!昨日のテレビ見たか?」
「見てない」
「話を終わらそうとすんなよ。つか嘘つくなよ。昨日はお前の好きなドラマやってたじゃんか」
「ちっ!うるせぇな?“ライムライトの放課後”は録画してまだ見てないから喋るな!!」
ドラマ『ライムライトの放課後~わたしたちの川島くん~』
月曜九時に放送しているドラマ番組で、歩が今一番好きなドラマである。
原作はとあるサイトの携帯小説で。物語は一人の男が先輩と後輩の女の子に引っ張り回されるラブコメディである。
原作を読んでいた歩は、この作品がドラマ化すると知り。ビデオデッキを中古で購入し。毎週予約録画するほどこの作品が好きなのである。
とある事情により。リアルタイムでドラマを見れない歩は、その話を誰かから聞きたくないのである。
なので、今まさにソレについて話そうとしている悠をまたも鬼の形相で睨んでいた。
「見てないの?何で?」
「見てないんじゃない!見れないんだ!!理由はお前なんかに言う必要はない。てかうるさい黙れバカ!」
そう言って歩はまだ何か言いたそうな悠を無視して、レイの小説を読みはじめた。
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