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                                                                            これは、歪んだ物語。                                               「ねえねえねえ!いるんでしょう誠二さん!今日も来たんですよ!大変、鍵を開け忘れていますよー!これじゃ私が入れません!」                  警報警報。ストーカーが家に襲来中、さっきから俺の部屋のドアをドカドカと叩いている。インターホンを一度も使わないとは一体どういう了見だ。        「鍵が掛かってますよ!もしかして寝てるんですか!きゃッ!私ったら男の人の寝込みを訪ねるなんて初めてです!」     警告警告。先週の俺に警告。田舎から出てきたような娘をチンピラから助けてやった。話を聞くと、どうやら明日から俺と同じ高校に通うらしい。そしたら何故かこの始末。一緒に助けてあげた子は凄く礼儀正しい子だったのに。          「私ね!実は実は・・・・・・昔から誠二さんの事が好きだったんです!覚えてませんか!?受験の時に誠二さんの隣に座ってたんですよ私!右に座った子が竜ヶ峰とかいう凄い苗字だったから、左隣の人はどんな名前なんだろうと思って、ちらっと見たら一目ぼれでッ!それで名前を覚えていたんです!でも勇気が無くって言い出せなかったんですけど・・・・・・この前助けて貰ってああ、これは運命だなって感じて!私、凄く勇気付けられたんです!だからだから、誠二さん顔を見せて下さい私に元気な顔を見せて下さいお願いですお願いです!」                   警戒警戒。こいつ、俺の後をこっそりとつけて来やがった。それから毎日の様にやってくる。家に帰れと言っても聞きやしない。今叫んでる言葉も、もう二千回は聞いた。                 「ひょっとして元気じゃないんですか!?だから出られないんですか!大変です!一刻も早くドアを開けて下さい!私ね、受験の日から色々調べたんです!誠二さんの誕生日も誠二さんの家族も」         警察警察。警察を呼ぶぞ。そう言ってようやく今日も引き下がった。           
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