プロローグ

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 警鐘警鐘警鐘。俺の全身ピンチ警報発令中。                 警笛警笛ピピピのピ。ドアを開けると女の靴が。」                                  「せ、誠二・・・・・・さん・・・・・・」                   部屋の奥に行くと、ストーカー女が立ち竦んでいた。              不法侵入者である女に対して、俺は自分がやけに冷静になっている事に気が付いた。女の顔に浮かぶ表情に気が付いたからだ。                   そして、俺は自分でも驚くほど冷めた声を搾りだしていた。                              ・・・・              「見たな?」                                「えと、あの、私、そのッ・・・・・・」 彼女の顔に張り付いているのは、いつもとはまるで違う、不安と恐怖に満ちた表情。                   ・・・・・・なんだ、こんな表情もできるんじゃないか。       ・・・・ そして俺は確信した。やはり、こいつは・・・・・・・・・・・・・・・・・  見てはならない物を見てしまったのだ。 「あ・・・・・・あのぅ、誠二さん、私、・・・・・・ええと誰にも言いませんから!こんな事があっても、私、やっぱり誠二さんの事が好きで、えと、えと、大丈夫です。どんな趣味でも、私なら合わせて見せますから、えと、だから、えと」     攻守交替。今度は俺が彼女を追い詰める番になってしまったようだ。      「いいんだ」             「誠二さん!」             俺の言葉に、ストーカー女の声が希望に満ちる。               「いいんだ」             「誠二・・・・・・さん?」       冷めたままの俺の瞳に気が付いたのだろう。瞬時にその希望が不安に塗り替えられた。                  俺は彼女の表情を完全なる絶望へと塗り替える為に、もう一度だけ声をあげた。  ・・・・              「いいんだ」                                       
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