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ゆっくりとこちらへ歩いてくるピーチの凍てついた視線に圧されて、リンクはゆっくり後ずさっていく。
ピーチ「昨日、何処ぞの姫が王子に告白されていた。結婚をしようと…」
姉は調理台に放置されている包丁を手に取り、にっこりと笑う。
ゆっくりと近づいてくる姉から逃げるように後ずさっていく。
ごんっ
後ろには壁。
もうこれ以上…!!
リンクの顔横に包丁が嫌な音を立てて壁に突き刺さる。
リンク「ひ…!」
ピーチ「その姫はお前によく似ていた。…なぜだろうな?」
リンク「俺は…俺は昨日家で言われた事をしっかりしましたよ!!?」
ピーチ「あぁ、知っている」
リンク「は…?」
ピーチ「あの娘さえいなければ、私が王子と結婚できるはずだったのに…!!!!」
あんな楽しそうに
笑って
踊って。
それをただ見つめるしかない
あの屈辱感。
なぜ、私じゃなくて
あんな小娘なの…?
ピーチ「お前を見ていると殺したくなる。…だけど、お前は使えるから」
姉は左手で俺の頭に掴み、右手で俺の両目の眼前に指2本を水平に構える。
これが意味する事はただ1つ。
リンク「お姉様…!?やめて…やめて下さい!!」
ピーチ「お前はこれから何も見なくてもいい」
何かが潰れる音とシンデレラの声にならない叫び声が朝の平和な村に響いた。
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