■極彩色世界

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どうして 僕じゃなくて 兄さんなの? マリオ『…ルイージ?』 僕達兄弟は 双子 たった数秒だけ 兄さんが 早く生まれただけじゃんか。 神は 僕が鳴き声を あげる前から この気持ちを 考えてくれてただろうか 答えはきっと YES。 マリオ『…!!おま、冗談がきついぞ!』 長い長い冒険から帰ってきて疲れている兄さん。彼に足をかけて押し倒すことは造作でもなかった。 あれ? 僕の尊敬、いや…、憎しみのターゲットだったこの人はこんなにもか弱い人だったっけ? 答えは NO 利き手に握られた果物ナイフを構え直し、それを天たかく掲げて僕の下で驚愕の顔をしている兄さんを見下ろす。 マリオ『ルイージ落ち着け!!』 僕は兄さんよりも強い、 マリオ『やめろぉおぉおぉぉおぉ!』 僕はナイフを勢いよく振り下ろした。 赤い雫があたりに散りばめられて流れて広がる、もう動かない兄さんはただの死体。 もう伝説なんて作れはしない。 体が動かないもんね。 こうして僕は、 大好きな兄さんを――…‥‥ ルイージ「………はっ!!」 ばっと目を開けるとそのにはいつもの見慣れた自分の部屋があった。 閉め忘れていた窓から夜風が入り込み、カーテンが月の光を揺れてゆらゆらと、まるで青白い幽霊が笑ってるみたい。 怖っ…。 ルイ「夢…か。」 それにしても、リアルすぎる夢だった。 確かに自分は兄が羨ましいといつも感じている。が、夢のように殺してしまおう、なんてそんな恐ろしい考えは思いつきもしない。 ましてや人を殺すなんてことをこの臆病な僕ができるはずがないじゃないか。 時計を見ると、もうすぐ日付が変わる。いつもは子ども達の活気あふれる声が響いてるこのスマブラ邸。逆に今、静かすぎて不安に駆られた。 もう目も覚醒してしまい、二度寝は期待できないだろう。 ルイ「(あーあ、なんか喉からからだ)」 そう思ってルイージはベットから体を起こし、パジャマの上に上着を羽織って自分の部屋を出た。 なんだか、悪夢が自分を探しているような気がして独りでいたら狂ってしまいそうだったから。 .
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