■極彩色世界

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誰もいない廊下は、ひどく長く長く感じられた。 食堂の少し開いた扉から灯がもれていることにどれだけの安心を得たことだろう。 もう数年も光を見なかったような気さえしてしまう。 でも、こんな夜更けに誰がいるんだろう?ナイスミドル(ガノン・スネーク・デデデあたり)の人達が酒でも飲み交わしているのかな。 …もし幽霊だったらどうしよう。オバキューム(幽霊を吸い取る掃除機)は部屋に置いてきちゃったし。 兄さんのところに行こう…やっぱり止めよう。絶対に笑われてしまう。 意を決してそっと扉を開けると、いつも僕達が勝手に座る食堂の余りある数の座席の灯は消され、厨房の光だけがついていた。 僅かだがカタカタと誰かが動いている気配がする。 ルイ「え…、リンク?」 リンク「!!すいません、起こしてしまいましたか?」 いえいえ、僕が勝手に起きてきただけです、気にしないで。 厨房にたっていたのは、ハイラルを救ったといわれる勇者だった。今はマスターソードに代わり短い包丁を片手にパンをスライスしているところ。(エプロンはオプション) その包丁が一瞬、夢に出てきた果物ナイフ‥兄さんを刺したものに酷似しているように見えて、僕はぞくりと背筋が震えた。 ルイ「こんな時間に何してるの?」 リンク「あぁ、俺はいつもこの時間ぐらいまで明日のご飯準備しているんですよ」 みんなが寝静まってから厨房に立ち、そして誰よりも早く起きてまた家事をこなすんです。 ルイ「そうだったの!?」 知らなかった。 僕は彼が 『苦手』 兄さん以上に完璧な人。 出来過ぎた人って恐い。 だから 『苦手』 恐いから。 リンク「えぇ。ルイージさんこそ、こんな夜更けにどうしました?」 食品から顔を逸らし、僕ににこっと笑いかけるリンク。よくそんなハードスケジュールの中でも笑えるよね、ほんと。 ルイ「ちょっと…怖い夢を見ちゃって」 リンク「夢…、素敵ですね。俺は大人となってから一回も見てませんよ」 ルイ「ちっとも良くない」 僕は厨房内にあったプラスチックの椅子に腰掛ける。 リンクは包丁を置き、たったったっと近くにあった冷蔵庫へ歩み寄りバコンッと勢いよくあけ中を眺めた。 .
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