■極彩色世界

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ルイ「もし…、もしリンクにとって大切な人が突然この世から消えちゃったら…。どうする?」 リンクは答えずに冷蔵庫をがさがさとあさる。結構沢山入ってます。 ルイ「…。しかもそれを自分がしちゃうんだ。おかしいよね、大好きな人に刀を突きつけるなんて。ほんと、おかし…い」 知らぬ内にボロボロと涙がこぼれてきた。寒い。僕は器用にいすの上で体育座りの状態になって泣いた。 ぴとっ 額に何か冷たいものが当てられた感触がして、僕は顔を上げた。 目の前には白い液体の入った瓶。『ロンロン牛乳』とプリントされた可愛い牛柄のシールが貼られている。 リンク「…たかが夢じゃないですか」 僕の額に当てていた牛乳をリンクはことりと目の前の机に置いて、彼自身も僕と机を挟んで向き合うように座った。 僕はリンクがくれた牛乳の蓋を、えいやっと開けて頂くことにした。 リンク「本当の『死』を知らない貴方に、『死』を語る資格なんてない」 ふと前に座っている青年と目を合わせると驚いた。いつもの優しそうに揺れる瞳ではなく、まるで殺人鬼のように冷たく深い青。 リンク「知らないなら、あまり関わらない方がいい。…あれはただ残酷としかない代物ですから」 つまりルイージさんのような甘い人には刺激が強すぎるんですよ。 ルイ「…それもそう。…君は、強いんだね」 リンク「…。」 すいません、とだけ言ってリンクは立ち上がり、明日の朝ご飯の準備を再開する。 まるで僕を拒絶するかのように。 しばらく、この厨房には包丁がまな板を叩く音が無機質に響いた。 僕はただ涙を流し続ける。 だって、情けないんだ。 リンクは、あんなに気丈に振る舞っている。本当の『死』というものをその目で見てきているから。 それがモンスターであり、人であり。 それに比べて僕は? なにも知らないくせに。 リンク「ルイージさん」 ぽんっ、と頭になにかが置かれる。僕はうつむいているからそれが何かわからない。 いや、顔をあげるのが怖いんだ。 リンク「今日の満月、見ましたか?」 ルイ「…は?」 気配でリンクがいつのまにか隣に立っているのがわかる。しかも月って…。月? ルイ「見てない…や」 リンク「なら、丁度良かった。今日は天気がいいですよ」 顔を恐る恐るあげると、そこにはいつものような微笑みを作った彼がいた。 .
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