実験

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「あのぉ…すみません、これ実験ですよね。わかっちゃったんですけど」   世界人口60億人?所詮やつらは実験の道具に過ぎない。   そして俺は実験材料。教科書に載れるって考えたら嬉しいものかもしれないが…もう限界だ。   「気づいちゃいましたよー。こうなったらもう終わりですよねー。意識の中の実験は無意味ですよ」   何故だ。終わらない。こうなることも想定内…か。それとも何か合言葉が…。   「はにゃらむにゃむにゃすっぱらぴんぴん!」   終わ……らない。何故だ。いや、これは冗談だ。どうだ実験者、面白いだろ。   母親?父親?何だそれは。嘘だ。虚無、役柄、上手い演技だ。もう少しで騙されるところだった。   「気づきました。もうよくないですか?…この気づいた後の反応を見る実験ですか?俺はこの状況を小説にしますよ。ああ、面白くなりそうだ」   この小説を書き終えたときこの実験は終了するんだ。   なあ。   はい、物語はここまで。   実験は成功かい?
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