3秒ルール

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クルクル…カシャン……クルクル…カシャン   「こら山田!またお前か!早く拾いなさい」   教師の西野はシャープペンを落とした山田に向かって怒鳴った。   「すみませーん」   クルクル…カシャン   その途端教室は爆笑。いつもこれで授業は続かなくなる。   それがこのクラスの日常だった。     そんなある日のこと…   クルクルクル…カシャン   「1…2…3」   西野は静かに呟くと何処からか発射された鋭いナイフが山田の頭に突き刺さった。   「キャーー!!」   血だらけの山田を見て悲鳴をあげる者もいればただ呆然とする者もいた。   「いいかお前ら、今日からこの教室に3秒ルールを設けた。床に落とした物は3秒以内に拾わないと山田みたいになるからな。気をつけろよ」   そう言った西野は何もなかったかのように授業を再開した。   そんな中、クラスでも特に優等生だった井口は板書を続けた。   しかし、井口は消しゴムのカスを何気なしに床に払い落としてしまった。   「1…2…3」   もちろん井口の頭にも山田と同じようにナイフが突き刺さった。   それを見た生徒は皆、何も言わずに固まっていた。   ところがそれから数分後、事態は急変した。   ポキ…カシャン…   「ま、まずい!」   西野の使っていたチョークが折れたのだ。   床で粉々になったチョークを全て拾うことなどもちろんできなかった西野の頭にはナイフが突き刺さった。   その途端、生徒は皆泣いて喜んだ。   生徒達の目からは涙がポロポロと床にこぼれ落ちていた。
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