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「神名、迎えに来た。」
「何時もありがとね、光。」
放課後、私を校門前で待っているのは、
翡翠色の長い髪と金色の目を持つ、上風光(かみかぜみつる)。
「今日は何処に行く?」
「そうね・・・より道はなし。真っ直ぐ家に帰るわ。」
「解った。・・・では、行こうか。」
―――私が他の人と違う点。
それは、容姿端麗な男の人たちが、何人も私の側に居ること。
中には小さい子供や、モデル並に綺麗な女性も居る。
それだけではなく、彼らは―――――
「皆、ただいま!」
「わーい、わーい!」
「お姉ちゃんお帰りー!」
この双子の男の子は、風見隼人(かざみはやと)と政人(まさと)。
「・・・お帰りなさい、カンナ。」
この女性は、新澤美香(あらざわみか)。
「ただいま、美香。」
「今日も、学校では何もなかったかしら?」
「大丈夫よ。」
「ならいいわ。・・・カンナ、何かあったらすぐに私達に言うのよ。」
「皆に言う前に、光に言うわ。」
「あらあら・・・相変わらずカンナったら、光が大好きなのね。」
神名の家には、沢山の男性と、数人の女性と子供がいる。
皆血の繋がった兄弟や姉妹などではなく、寧ろ赤の他人同士である。
では、何故他人同士なのに一つ屋根の下で暮らすのか?
「神名ぁあああっ!!」
「五月蝿い」
叫び声をあげながら走ってきたのは、
長い黒髪に紫の目を持つ水神明人(みずがみあきと)。
光が走ってきた明人を一言で止めた。
「っな、なんだよ兄貴!別にいいだろ抱き着くくらい!」
「明人。神名は未だ邪気が残るお前に、あまり触れてはならん。
我等が神子なのだ、大事にしろ。」
「・・・ちぇ・・・まだ駄目なのかよ・・・。」
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