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「お前は最も名が知られている故に、邪気も強い。
浄化されるまでには、まだ時間がかかろうな。」
そう言ったのは、
長い黒髪と銀の目を持つ、篠宮司牙(しのみやしが)。
その傍らには、
深緑の長い髪に灰色の目を持つ門七矢(はざまななや)が居る。
「あんたは俺よか邪気あんじゃねぇの?」
と、明人が言う。
すると、七矢がこう返した。
「邪気の強さは、有名であるかないか。
司牙も有名であるが、明人ほどではない。」
「・・・泣きたい」
「泣かないで、明人兄さま。」
「兄さまにだって、カンナお姉ちゃんに抱き着ける日がくるよ!」
いじけだした明人を、風見兄弟が慰めている、その時だった。
『―――それでは、次のニュースです。
本日未明、太平洋沖にて一隻の船が沈没しました。
調べによると、タコのような足が船にからみつくのを見たという、
目撃者が多数いるようです。』
・・・このニュースを見て、一番に声をあげたのは、
明人だった。
「はぁ!?あいつらまだやってんのか!?」
「・・・神名、行くか?」
「勿論!
・・・光、明人、七矢、輝明(てるあき)!太平洋に行くよ!」
「・・・御意」
「御意。」
「了解!」
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