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俺が勤めている組織は今流行のインターネットとやらを用いても探せない。
図書館にもこの職種についての記述はおそらく無い。
政府の検閲が入っていなければそれについての記述が存在するかもしれないが、誰もそれを信じることはないだろう。誰も知らない。
秘密の組織。
少年の頃、一度想像したことがあった。
『日本は地下に秘密の研究所を隠している』と。
実際にあった。
まさか実在するとは思わなかったが……。
塔京の地下には巨大な地下施設が埋没している。
地下鉄工事やガス、水道管工事、電話線敷設等の工事では見つからない、地下千メートル弱の地下に広がる研究施設。入口は国会議事堂に繋っている。誰も知らない真実。
俺に正しい戸籍は存在しない。いや、存在していた。
研究員全ては、書類上は生存していない。何らかの事故として死亡したことになっている。
最も多い死因は豪華客船『サクヤ』の沈没事故で亡くなったことになっている。
乗り合わせた乗客は、名門校出身のエリートばかり。
偶然にこのような乗り合わせになることはまず無い。
『超有名大学である塔京大学及び享十大学出身者のためのフォーラム』という名目での会ならば、乗り合わせとしても問題ないであろう。
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