ハジマリ

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俺もそんな中の一人だ。 俺は友人の森羅木亜莉涼と共にこのフォーラムに呼ばれた。 フォーラムそのものは簡単で、『西暦二千年、地球は大氷河期を迎えるのか!?』そんな話だった記憶がある。 つまらない一般論を並べるだけの話。 まぁ、我々二人は豪華客船に乗れることと、料理を楽しみに来たのだから別に良いのだけれど。 ところが途中から話の内容が変わってきたようだった。 「…………我々は種として保存しなければならない。ありとあらゆる手段を用いたとしても…………」 演説台から遠すぎて聞こえない。 大した話はしていないと判断した我々二人は演説台を離れ、食事を楽しんでいた。 俺の耳はぼんやりその音を感知した。 寒冷化の話では明らかに無い。明らかに無いのである。
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