2.訪れる悲劇

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カメラマンの父親の影響で俺自身もカメラに興味がある こんな形で撮りたかった訳じゃないが、呉羽のあとをつけ写真に残した 俺を見た瞬間から、いや…もっと前からだったのかもしれない 呉羽の瞳には色がない 全てに絶望したような…黒の世界なんだろう 「人前で肌を見せないから気になってたんだ… 最初はさ、皆の目つきがいやらしいからだと思ってた」 『まぁそれもあるけどね 凄い視線感じるもん』 少し俯きながら、無理に平常を装って答える呉羽を見ているのが辛い 辛いなら辛いって言ってくれよ… 『何時から気づいてた?』 「はっきりと分かったのは昨日 それまでは憶測でしかなかった」 『知っちゃったならさ、別にそれはそれでいいんだ』 涙が、出そうになった 笑顔の呉羽が余りにも痛いたしすぎて… お前…どんな顔で笑ってるか分かってんのかよ 『二度と俺に話し掛けないでね …桜花くん』 もう名前すら呼んでくれねぇの?
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