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シャツのボタンが弾けとんだので羽織るだけの形のまま玄関へ向かった
「あっ、くーちゃん!おはよー」
いつも通り、何も知らない大輝は呉羽の姿を見付け笑顔で走り寄る
「ッ…どうしたの…これ」
『さぁ…桜花君にでも聞きなよ』
「くーちゃん?」
シャツの隙間から見える傷を見た大輝の顔色が一気に変わる
しかし、"桜花君"の一言の方が驚きが大きかったようだ
『東雲君もさ、もう俺に近寄らないでくれる?』
「…え?」
『話し掛けんなって言ってんだよ』
光のない濁った瞳で大輝を見据える
双方の顔はどちらとも絶望で歪んでいた
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