3.見えないココロ

3/8
前へ
/27ページ
次へ
「桜花に東雲か、適当に座ってろ」 朽木は突然の訪問にも関わらず文句一つ言わず通してくれた 「相変わらず個室なんだな」 「ほかの先生方は何故か近寄らないんだよね」 俺の呟きに珈琲を出しながら答える朽木 何故かって…俺達だって呉羽のことがなきゃ来たくねぇよ 怪しいビーカーがいくつもあるし、ホルマリン漬けにしてある臓器 壁には蝙蝠がナイフで突き刺さってるし… 「呉羽のことだろ?」 重たい空気の中、先に口を開いたのは朽木だった 「悪いけど、呉羽のことは教えない」 「ッなんでだよ!」 「君達に教えた所で何になる? 余計呉羽が苦しむだけだ」 朽木は今にも飛び掛かりそうな勢いの大輝を気にも止めず、珈琲を啜りながら淡々と答えていた
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

470人が本棚に入れています
本棚に追加