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ゆっくりと。
動いているのか、分からないぐらいゆっくりと、女の子がこちらに顔を向けたような気がした。
やっぱり白く輝いて見える女の子は、またゆっくりとその黒い瞳を閉じると両手を勢いよく広げた。
その瞬間、それまで空中を舞っていた敵の物か味方の物か分からない弾丸達がピタリと止まった。
銃を撃つのをやめたからじゃなく…
空中で、止まったのだ。
それからの事はよく覚えていない。
周りにいた兵士達が次々倒れて、気が付くと自分だけが地面に尻餅をついていた。
女の子の姿は、もうどこにも無かった。
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