一目惚れ

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何故、この会社が陸を採用したのか。 その理由を陸は入社後しばらくして知る事になるが、初日にはさすがに知る由もない。 『とにかく今は頑張るだけだ!』 そう心の中で叫んだ途端、誰かに後ろから勢い良く肩を叩かれ、陸は驚いて振り返った。 「あ、悪い悪い、驚かせたな」 陸の視線の先には、一人の男性が立っていた。 「君、今日入社の五十嵐陸くんだろ?」 そう言うと、その男性は人懐っこい笑顔を見せた。 歳は陸の2、3歳上だろうか。 目に知性たたえた、“若いけどキレるサラリーマン”と言う風情の男だ。
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