一目惚れ

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「あ、ハイ!そうです!よろしくお願いします!」 陸が深々と頭を下げる。 「俺は市原啓太。よろしくな」 「はい!」 「まぁ、とりあえずそんな所に突っ立ってないでオフィスに入れよ。もうすぐ朝礼が始まる」 市原と名乗った男性社員は、素早くIDカードで入口のセキュリティーを解除すると、陸に中に入るように促した。 「ありがとうございます」 陸は礼を言い、オフィスに入った。 中に入ると市原は、辺りを一瞥し、「あ~、いたいた。美里さ~ん!」と、奥の方にいた一人の女性に声を掛けた。 「今日入社の五十嵐陸くん、来ましたよ~」 市原にそう声をかけられた女性が、ゆっくりと陸の方に向かって歩いて来る。 その姿を見て、何故だか陸の心臓は大きく脈を打ち始めた。
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