見えない敵

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「陸、ちょっと待って」 美里は舌打ちする陸の身体の下から抜け出し、携帯を手に取った。 「誰だよ、こんな時間に」 陸が不満そうに言いながら、身体を起こす。 「…迷惑メールだった」 美里が、送られてきたメールの件名を読み上げる。 「“寂しい貴女にイケメン紹介します”」 「何だ、そりゃ」 陸が爆笑する。 「イケメンは一人で充分だって。なぁ?」 笑いながら陸は美里の携帯を取り上げると、電源を切った。 「気がそれた。仕切直しに風呂入ろう」 「あ、うん」 「美里ちゃん、風呂場で俺を元気にして?」 「ほっといたってなるくせに」 二人は笑いながら、バスルームに入っていった。
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