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『非通知着信を見て、俺だと気付いてくれればいい。いや、絶対にあの人は、俺だと言う事は分かっているはずだ』
そう考えながら陸は、今かけたメモリーの表示を見た。
万が一、携帯を見られても大丈夫な様に、その名前だけはシークレットにしてある。
それは、結婚前、陸の全てだった女性の名だ。
【藤井美里】
「俺が愛してるのは、今でも貴女だけです」
陸は小さく呟くと、煙草を消して寝室へと戻っていった。
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