第四章 一話 候補者全滅

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   毎日、店に来ていたのだから周辺に住んでいなくても、この地域でポストに投函するのは可能だ。  だけど、何かが引っ掛かる。  Mはボクの行動を、かなりの部分で捕捉し把握していた。だけど、曜日によってはノーマークな日があった。  例えば、日曜日。  日曜日の調査は、まったく掴まれてはいなかった。  それと、水曜日。この日にもいわくがある。 「水曜日に届く手紙だけ、郵便が使われている」  一番最初だけ違ったが、水曜日にはこの地域に来られない理由が、何かしらあるのだろう。  そう言えば、石原 薫は最近は水曜日には、来ていなかった気がする。  この2日は、Mにとって自由のきかない日なんだろうな。 「週に2日以外は、自由のきく仕事……」  収入を考えたら、あり得ない話しだ。それとも、夜の商売をしているのか。  だとしても、睡眠時間は削られるよな。 「そんな職業、少なそうだし……」  その辺りから、絞り込むしか無いよな。  まだ、止まれない。この事を終わりにする為に、まだ進んでやるんだ。    
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