二話 接触

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   気付いて呼び止めようとした時には、既に店の外にいて車に乗り込む所だった。  そして、車は走り出す。 「しまった……」  昼の時間に来なかったから、来るはずがないと高をくくっていた。しかも、手紙にも会えないような事も書いてあった。  ボクを油断させる為なら、その位すれば簡単に騙せる。  でも、そんな事する理由が分からない。 「もし、最初にボクが気付いてたら、逃げるつもりだったのかな」  そんなリスク、どうして払う必要があるんだ。黙って、何もしなければ正体を知られる事もないのに。  その時、封筒の裏に書いて消した、Mの文字を思い出した。 「探して欲しいのか……」  そう、相手はストーカーだ。  今までは、直接ボクに何かするよりも、周辺の人に何かしたり、ボクに気付かれないようにしてた。  それが、ある部分までの正体がボクにバレた。 「これからは、直接的な行動に移るかもしれないな」  それなら、正体を証すのには楽かもしれない。だけど、危険な予感も否めない。    
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