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気付いて呼び止めようとした時には、既に店の外にいて車に乗り込む所だった。
そして、車は走り出す。
「しまった……」
昼の時間に来なかったから、来るはずがないと高をくくっていた。しかも、手紙にも会えないような事も書いてあった。
ボクを油断させる為なら、その位すれば簡単に騙せる。
でも、そんな事する理由が分からない。
「もし、最初にボクが気付いてたら、逃げるつもりだったのかな」
そんなリスク、どうして払う必要があるんだ。黙って、何もしなければ正体を知られる事もないのに。
その時、封筒の裏に書いて消した、Mの文字を思い出した。
「探して欲しいのか……」
そう、相手はストーカーだ。
今までは、直接ボクに何かするよりも、周辺の人に何かしたり、ボクに気付かれないようにしてた。
それが、ある部分までの正体がボクにバレた。
「これからは、直接的な行動に移るかもしれないな」
それなら、正体を証すのには楽かもしれない。だけど、危険な予感も否めない。
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