二話 接触

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   相手は、自由に出来る時間が大量にある。ボクに関わる人にも、もっと直接的に嫌がらせをするかもしれない。  今日、店に来たのはそれをアピールと言うか、警告する為に来たんじゃないのか。 「だったら、急がないと……」  特に、詩織ちゃんは危ないと思った。  ボクに一番近い場所にいる訳だし、実際2度も嫌がらせにあっている。今度は、自転車や服じゃなく詩織ちゃんを、怪我させる事だってあるかもしれない。  Mが、石原 薫が、誰なのかを確定し警察に届けよう。 「そう言えば、詩織ちゃん……」  食事休憩で、外に出ている。  全身を押し潰すような不安が、一気に押し寄せて目眩さえ引き起こした。  あの女は、ショートケーキを買って、その足で詩織ちゃんに嫌がらせしに、行ったりしてないだろうな。  お客さんがいなかったので、店の前まで飛び出してみた。  その瞬間まで、嫌な気持ちが消えなかった。 「あっ、亮さん。今、戻りました」  ボクを見付けて、嬉しそうな詩織ちゃんの声で、とりあえずの不安は解消された。    
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