二話 接触

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   日中に、高級な四駆の車を乗り回しケーキを買って、日常が成り立つ職業ってなんだろう。  余程、特殊な仕事だとは分かっている。 「やっぱり、水商売なんだろうか……」  日中に動いて夜に働くと、睡眠時間が削られてって考えてたけど、江口さんを考えたら不可能じゃない。  仕事が何時に終わるか分からないけど、早朝まで仕事してたら帰る前に、アパートに手紙を届けるのだって可能だ。  収入だって、ちゃんとあるだろうな。 「でも、水商売の人には見えなかった」  夕方とかに、水商売の人がケーキを買いに来たりする。でも、石原 薫は今までも今日だって、水商売をしてるようには見えなかった。  口で説明しろと言われても困るけど、そう言った人達とは雰囲気と言うか、気配が違っている。  水商売ではない、特殊な職業。 「まさか、探偵とか……」  それは、無いよな。  考えがまとまらず、飛躍的な事が思い付いたけど、もしそうならボクの事を調べるなんて、仕事の延長であって簡単な作業だよな。    
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