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彼は言葉には表さないけれど、私の事を大切に思ってくれてると態度で分かった。
好きだなんて言葉も要らないくらい私は彼と一緒にいるだけで幸せだった。
私は彼に夢中で、彼もずっと私の相手をしてくれる。
私は彼に言った。
「いつか結婚しようか」
ふざけ半分で言った言葉。でも心の中では本気だった。
彼は立ち上がって私を見つめ、
「いいよ」
と言って微笑んだ。
随分前に、彼に言った事がある。
「実は、ここは私の夢の中なの」
彼は少し淋しそうな顔をして、
「そうか」
と言った。
「私、ずっと夢から覚めなければいいと思ってる。ここで椎名さんと一緒に過ごして幸せに暮らしたい」
「そうだな」
そう言って彼はニッコリと笑った。
彼は夢の中だと知ってどう感じたのだろう…。それは今でも分からない。
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