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明暗
源三「お前達にに話しておきたい事がある。俺は多分1年もこの体はもたないだろう。そこでだ、俺が亡き後の事をお前達に告げておきたいのだ」
この発言に皆が静まり返った。
源三「この小林一族もだいぶ大きくなった。ここ迄の道のりは決して楽ばかりでなく苦しいものばかりだった。俺が積み上げて来たこの軌跡を継いで貰う跡取りとして、俺が死んだ後、秀臣お前が守っていくんだ」
秀臣「はい、父さん。この命付きるまで精一杯励んで立派に守ってみせます」
薄ら笑いの様にも見える笑みを浮かべて秀臣は答えた。
源三「しかし財産に関しては秀臣だけの物ではなく、ここにいるお前達全員にも分配の権利がある。この製鉄所の権利は秀臣に譲ったとしても俺が抱えている資産を誰に渡すかはまだ決まっておらんのだ」
その発言に1番驚いていたのは秀臣ではなく正妻の明子だった。
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