‥桐澤伊久‥

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あいつはいつも、何も言わずに犯されて帰っていく。泣きながら名前を呼ぶのも‥最近なくなった。 ただ、人形のように身体を差し出し、抱かれ、消えていく。儚い恋心の化身。 「ねぇ、伊久ー、この片島愁也って誰??」 また、甲高い声が俺の耳をつんざいた‥。栗色の髪をした、かわいらしい少女、俺の彼女の鮎川里穂。付き合い始めた理由は、可愛かったから。他に好きな部分なんて存在しない。 「里穂、勝手に携帯見んなよ…」 「だってぇ…伊久が浮気してないか心配じゃん!」
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