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「伊久…くん…」
目を疑った。
僕の、僕のことを押さえつけてた2人の首を掴んで、凄みをきかせる相手に…。僕を傷つけた、張本人に…。
「…あの…伊久くん」
「お前、ホントうぜぇよ」
「ごめん…なさい」
「俺のこと嫌いなくせに、何庇っちゃったわけ?」
「僕…咄嗟に酷いこと…」
「うるせぇんだよ!!!!!!てめぇの顔みてんとイラつくんだよ!!消えろ!!いいから失せろ!!二度と見たくねぇんだよ!」
「………うん、ごめん」
破けたワイシャツを必死に握りしめて、ゆっくりと笑えば、涙に気づかれないうちに、全力で走った。ひたすら階段を下って行った。
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