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暫く屋上でぼんやりと空を見上げていた。フェンスの下に見える、体育館。そこにみなれた人物を見かけた。
「――神奈??」
神奈こと鈴城神奈は、俺の幼なじみで隣町の男子校に通っている。よき理解者だ。
「…ですよ、風沼さん」
よく、聞き取れなかったが、"風沼"という人物の名前だけば聞くことができた。
「…なにやってんだアイツ。」
久しぶりに見た神奈は、髪の毛は金色に銀のメッシュ、着崩した制服にたくさんのアクセサリーを纏い、今までとは違う雰囲気を醸し出していた。
「余計なことに巻き込まれんじゃねーぞ、ど阿呆」
その姿を見ながら悪態をついてはみたものの、どこか胸が傷んだ。
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