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気づけばフラフラと街を歩いてた。苦しくて、苦しくて…どうにかなりそうで…泣き疲れて、喉が渇いて、似合わないカフェに入ってみた…。
「「いらっしゃいませー」」
気持ちいいくらいにハモる店員の声すら、今の僕には聞こえていない。奥の禁煙席に腰かければ、目の前には綺麗な写真。吸い込まれそうなくらいにひろがる青い海。
「…綺麗」
「恵!!見てみろよ、総さんの写真、すっげー!」
「ヒロ!!そんなに喜ばなくたって…」
僕の隣に座った、対照的な青年二人。
"恵"と呼ばれた青年は黒髪で落ち着いたイメージ。それとは裏腹に"ヒロ"と呼ばれた青年は青年と言うよりは少年に見える明るそうなイメージ。
「騒がしくて…すいません」
気づけば"恵"と呼ばれた青年が僕に頭を下げていた。
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