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「あ!!全然!!賑やかな方が好きなんで!」
慌てて手を振りながら答えれば、ゆっくりと写真に目をやれば、やはり吸い込まれそうな海…。どんな人がこの写真を撮るんだろう。
「綺麗な写真だろ?コイツの"お父さん"が撮ったんだ」
見惚れていれば、"ヒロ"が嬉しそうに話しかけてきた。お父さん…?"恵"のお父さん…
「す…すごい!」
「だろっ!?ほらぁ~恵の負けな。総さんの写真はすごいって!!」
「…確かにあの人の写真は凄いかも知れないけど…だからって俺には関係ないよ」
きっぱりと言い放つ様子を見れば、"恵"はこの写真を撮った自分の父親をよく思ってないみたいだ。
そんなことを考えていれば、携帯の着信音が響き渡った。二人に頭を下げてゆっくりと通話ボタンを押す。
「もしもし…」
『…―愁也、来い』
「伊久…く…んっ?も、もう嫌だよ」
『来い。』
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