‥別離‥

7/11
前へ
/56ページ
次へ
「き…嫌いって言っただろ…っ」 『うるせぇ…いいから来い』 「…――わかった」 断れない、自分が憎たらしい。行ったらこの関係も終わるんだから。自分で言ったくせに…すごく怖いんだ…失いたくない。 「あ…あのさ…」 携帯を握りしめたままうつ向いて下唇を噛み締める僕に、"ヒロ"が話しかけてきた。 「…はい?」 「その…"伊久"ってさ、桐澤伊久?」 …え?…その言葉しか出てこない。だって、今日初めて会う人が、どうして…どうして伊久くんを知ってるの?ナンデナノ…? 貴方は伊久くんの何なの…?
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!

654人が本棚に入れています
本棚に追加