日常

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そうは言っても、ただ今、全国大会団体決勝戦の真っ最中だ。 義和達の学校“北条中学校”は後一勝すれば優勝だ。 ただし、次負ければ、準優勝。 (先輩の試合次第か……) 大将である先輩を見る。 試合の準備をしているようだが、明らかに動きがおかしい。 間違いなく、かなり緊張している。 (…大丈夫かな?) のんきに人の心配をしていると、後ろから強く背中を叩かれた。 「良くやったぞ!南!」 振り返ると、南より前に試合をした先輩がいた。 背中の痛みは彼の仕業らしい。 「後はアイツ次第だ!」 「絶対負けんなよ!」 「北条の意地見せてやれ!」 仲間たちの声援に頷く大将。 ぎこちない様子で、前へ進む。 右手と右足が同時に出ていた。 (余計緊張してるし!) どうか勝ちますように、と祈る義和だった。
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