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夕暮れの町をとぼとぼと歩く。
にぎやかなはずの商店街は、心なしか、寂しく見えた。
「………はぁ」
義和は本日何度目になるかわからない、ため息をついた。
全国大会を終えた後、すぐさま疲れが押し寄せてきた。
結局、団体決勝は準優勝。
大将の先輩が見事に敗北し、祈願の優勝には届かなかった。
義和自身は勝ったもののやはり悔しい。
「団体は準優勝、個人はベスト16か……」
正直微妙な結果だ。
全国大会に団体と個人の両方で出たことは、本来ならそれだけで喜ばしい。
だが“準”優勝だったりベスト“16”となると、なんとなく中途半端で悔しい気がする。
「はぁ………」
また、ため息。
ため息を吐くと幸せが逃げる何て言うが、本当だろうか?
本当なら、義和は今日1日で1年分ぐらいの幸せをうしなっているであろう。
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