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グループ“トゥルース”日本支部―――
1人の男が早歩きで廊下を歩いていた。
その後ろには、クルミ色の髪を持つ少女が付いてきている。
2人の顔は深刻そうだった。
男の目は鋭く、険しかった。
少女の顔からも焦りや不安が感じられる。
角を右に曲がり、そのまま直進した。
廊下は薄暗く、足音だけが寂しく響いていた。
「ここだ」
男が立ち止まり、扉を開く。
扉には“第一治療室”と書かれていた。
呼吸を整え、部屋に足を踏み入れる。
「失礼します」
中には白衣を着た男、金髪の女性、そしてベッドに1人の男性がいた。
頬の肉は痩け、かなり弱っているように見える。
閉じた目、か細い呼吸からもそれがわかる。
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